その少女はただ寂しかった。
愛ゆえに悲哀アリ、数奇な運命をたどる。
「あのね・・・死んでくれる?」
それは衝撃的な出会いだった。
友達になってくれと頼まれ、軽い気持ちでうなずくも
少女と一緒に遊ぶ時間はなかった。
悪いけどやらなくちゃいけないことがあるんだ。
そう諭すと少女は悲しそうに目を伏せた。
磨かれた珠のように美しい肌に、深紅のくちびるだけが妖しく映える。
少しくらいならいいか。
そう思わずにはいられなかった。
少しだけ遊ぼうか。
途端に相好を崩し、安堵の表情を見せる。
よかった・・・
しかし少女の口から次に出てきた言葉は
喜びの声ではなく、感謝でもなく、
「あのね・・・死んでくれる?」
だった。
少女に何があったのか。
何が少女をここまで追い詰めたのか。
私にはわからない。
だけど、私は
この美しくも儚い少女の為に
今
首にかけられた手を払わずに
微笑んだ